http://takano.blog.ocn.ne.jp/nissi/2009/11/post_7e2b.html より
2009.11.18

女川原発で プルサーマルを考える 1

東北電力は、女川原発3号機でプルサーマルを実施しようとしています。

そこで、何回かに分けて、プルサーマルのことを考えてみましょう。今日は第一回目。

肺がんなどを引き起こす猛毒のプルトニウムを、子々孫々まで「負の遺産」として残していいのでしょうか。この問題です。

そもそも、プルトニウムを混ぜた燃料を女川原発で燃やす(核分裂させる)と、4種類ぐらいの性質の異なるプルトニウムが生まれるのだそうです。その中には燃えにくい(核分裂しにくい)プルトニウムもあるわけで、一回使えば、二度と女川原発では使えない粗悪な燃料になってしまうそうです。

そこで、東北電力は「国では使用済みMOX(プルトニウムとウランを混ぜたもの)燃料の処理、処分は2010年ごろから検討する。女川原発で当面保管する。使用済み燃料プールは30年分保管できる」と答えています。

しかし、高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」は14年間も運転を停止したまま。青森県六ヶ所村の再処理工場もいつ稼動できるか不明の状態です。

なぜ、そんなに急ぐのか。全くわかりません。将来の見通し、確実な実施計画などしっかりしてからでも遅くはないはずです。

まして、大衡村での低レベル放射性廃棄物処分場問題でさえ、住民の猛烈な反対でした。高レベル廃棄物処分場は応募する自治体はなくなりました。原発解体や再処理工場の解体で出てくる放射性廃棄物の膨大な処分場問題は、世界中で苦慮しているではありませんか。

ウラン238の20万倍も放射線を出す能力があるプルトニウム239。猛毒のプルトニウムを引き取ってくれる自治体がどこにあるというのでしょうか。

たとえ、高速増殖炉で使う燃料になりうるとしても、日本中にいや、世界中に有り余るウランの使用済み燃料が蓄積されているのです。わざわざ、放射能の危険にさらされながら粗悪なリサイクルMOX燃料をつくるでしょうか。そのために高い費用をかけて、再処理するでしょうか。中間貯蔵の話もそう考えると、その場しのぎのまゆつばものに思えてくるのですが、いかがでしょうか。

やっぱり、子どもたちや孫たちに取り返しのつかない「負の遺産」を残してはならないと思うのですが。愛媛県伊方町で「つわぶき」の花を見ながら考えました。

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